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05/03/16(水)01:55:36 No.23141475
としあきは琴子の顔を見るとニッコリ微笑んだ。としあきの意志を理解したのか琴子はその場を 立ち去ろうとするが、どうしてもとしあきのことが気になり振り向いた。 「キキィ…ギヒ、ギヒ…ヒャッハ!」 迫った桃太郎は腕を振り上げとしあきに向かって振り下ろした。としあきは微動だにしない。 振り下ろされる腕がとしあきに当たろうかとするその時、それを見ていた琴子の脳裏に何かが走った。 「あ……私…は……~ッ!“としあき”君ッ!」 「!? 琴子さん、記憶が!」 その瞬間、桃太郎の動きが止まった。桃太郎は小刻みに震えている。 『いたいけな子供にまで手をだそうなんて言語道断です。消えなさい。』 「ヒギ…ギギ…ギァ!」 桃太郎はあっという間に掻き消えてしまった。その後ろから一人の女性が歩いてくる。 『キミ、怪我は無い?』「は、はい。」『君の事を気にしてくれる子がいるんだから無茶しちゃダメよ』 「え、えぇ…」『じゃ、お姉さん行くわね。気をつけるのよ』「はぁ…」 女性はとしあきに話し掛けると何処かへ去ってしまった。
「そうだ、琴子さん?」「…うっ…ヒック…グズ…とじあぎぐん…うぁ~ん!」
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